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演奏 ヴィム・ホーグヴェルフ/ギター
ヴィム・ホーグヴェルフは、高名な作曲家フェルディナンド・ソル(1778
バルセロナ生−1839パリ没)の作品のうち、opus 35「24の易しいエチュード」とopus 60 (ギターのエチュードへのイントロダクション、25のレッスン)を選び、フェルディナンド・ソルの「ギターメソッド」(1830年パリにて出版)を読み解いて、新しい解釈を加えた演奏とした。この「ギターメソッド」には、ソルによって作り上げられたギターテクニック、解釈などが書かれているが、作曲家の音楽の基礎そのものを解釈するうえでも、また彼のオーケストラ曲をギター曲に集約する上でも、大変に重要かつ有意義な資料である。
ヴィム・ホーグヴェルフのCd作品は、これ以前にも、オリゾン・ヴィオレから2016年に発売されたディレマンド・ライス(1916ブラジル生ー1977ブラジル没)のCD「ワルツとショロ」等多数が発売されている。
ヴィム・ホーグヴェルフはアムステルダム王立コンセルヴァトワールでディック・フィッサーに学ぶ。次いで、パリでオスカー・カサレス、ベート・ダヴェザックに師事、更にコペンハーゲン王立コンセルヴァトワールでペール・オロフに学んだ後、1980年にパリに住まいを定める。以来、コンセルヴァトワールでギターを教えると共に、ギタリストとしてコンサート活動を行っている。その活動は広く、多くのオーケストラとの共演のほか、アンサンブル・アンテルコンテンポラン、アンサンブル2E2M、アムステルダム・ニューアンサンブル、マース・カニンガム・ダンスカンパニーなどにも及ぶ。彼のニューヨーク・デビューはカーネギーホールで飾ったが、その際ニューヨークタイムス評で「類い稀なテクニックと気品、そして進取の精神にとんだギタリスト」と絶賛を浴びた。
ヴィム・ホーグヴェルフはクラッシック曲以外に、現代音楽もレパートリーとしている。アンブロジーニ、ルイ・アンドリーセン、アルンツェン、ベリオ、カリージョ、チステルニーノ、クリトン、ジャコメッティ、ハバ、ヘクスター、トン・ド・レウ、ミログリオ、ムライユ、オハナ、武満徹、ティペット、ルール・ファン・オーステン、ディック・フィッサーなど多数。また多くの作品の初演をしてきた。これらの作曲家たちとのコラボは彼の現代音楽への愛情をさらに深めることになった。
更に、ヴィムホーグヴェルフの演奏は、クラッシック・ギターだけでなく、エレクトリック・ギターやマンドリン、バンジョーなど、様々な絃楽器に及び、シタールはジャマルディン・バルティヤ、アラブの絃楽器ウードはムニール・バシールに教えを受けた。これらの弦楽器への興味は、彼の音楽性をさらに深いものとしている。
Visuel de couverture : d’après une œuvre de Anne Emery
Portrait de Wim Hoogewerf : © Emir Srkalovic